STEAM教育と遊び

GreenHouseでは、日々の保育にSTEAM教育を当てはめ

子どもたちの未来の可能性を広げられるように様々な遊びを取り入れています。

   

STEAM教育とは

子どものワクワクを引き出し、なぜ?どうして?をたくさん感じられるようにすること

そして、興味→疑問→問題発見→探求→問題解決→新しい学び→創造

のプロセスを作り出すことと考えています。

STEAM教育=プログラミング

STEAM教育=科学実験

と認識している方も多いと思いますが

STEAM教育の本来の目的は、分野横断的な教育です。

分野横断的な教育とは、ある分野で得た学びを他分野で活用したり関連付けることで、また新しい学びを得たり応用できるようになること。

STEAM教育を取り入れることで

考える力や応用力、問題解決力が身に付き、また人間性や社会性が育まれ

これからの社会に順応でき、ITに負けない創造力をもった人材へと成長していくことができると考えられています。

 

今回は様々な遊びの中から「椅子取りゲーム」をピックアップしてみました。

遊びの中で得られる力とは何なのか。STEAM教育と遊びの繋がりとは?

ここでは、認知能力(数値化・可視化しやすい力)や非認知能力(目に見えない力)などの能力別に分解しながらお話しします。

 

 

STEAM教育×椅子取りゲーム

2歳児そして幼児クラスと、年齢が上がるにつれて白熱する定番の室内ゲームの一つ

それが「椅子取りゲーム」です。

音楽に合わせて円形に並べた椅子の周りを歩き、音楽が止まったら椅子に座る。座れなかった人は抜けて椅子を一つ減らす。繰り返し行い最後まで残れた人が勝ち。

椅子取りゲームで必要な物は「椅子」と「音楽」のみ。

初めて遊ぶ場合は、参加人数と同じ数の椅子を並べ音楽に合わせて歩き、止まったら座る。まずは全員がこの動作に慣れるように繰り返し行います。

慣れてきたら椅子を減らし、勝ち負けの面白さや座れて嬉しい、座れなくて悔しい気持ちも味わえるようにしていきます。

簡単なゲームですが、子どもの心と体の成長に欠かせない要素がたくさん詰まっています。

 

人数と椅子の数を数える

参加人数を数え、一つ減らした椅子の数を数える。

ここで足し算引き算といった算数的考え方が身につきます。

これが認知能力です。

また数えることは、集中力や注意力のアップにも繋がります。

STEAMの中の「Mathematics(数学)」の分野になりますが、

STEAM教育では、ただ算数的に考えるのではなく

「どうしたらゲームが面白くなるのか」

「人数が10人だから椅子は一つ減らして9つにすれば勝負になる」

と、物事を結論と根拠に分けて理解する「論理的思考力」として捉えます。

論理的思考力のある子どもは、問題解決力や説明力が身につくとされています。

 

音楽をよく聞いて判断する

音楽が鳴っている間は椅子の周りを歩き、音楽が止まったら空いている椅子を見つけて座ります。

音楽がいつ止まるのか集中して聞く、早く椅子に座るなど

この動作では、認知能力でいう判断力が養われるとともに身体能力の向上にも繋がります。

また、音楽を楽しむことで自由な発想力や想像力を育みリズム感や表現力も身に付きます。

STEAMの中では、「Art(芸術)」の分野になります。

「Art(芸術)」と聞くと、お絵描きや工作などをイメージしますが、

芸術には、

・視覚芸術(デザイン・絵画・建築)

・舞台芸術(ダンス・歌唱・演劇)

があり、音楽に関する芸術も含まれます。

リトミックや楽器遊びなど音楽に直接的に触れる遊び以外でも

音楽を取り入れた遊びは、子どもたちの自由に表現する力を育みます。

 

勝敗を決める・応援する

勝ち負けを決める中で、勝って嬉しい気持ちや負けて悔しい気持ちを感じたり、

負けた子どもたちが慰め合ったりゲームに残っている友だちを応援したりする姿が見られます。

まず勝ち負けのあるゲームでは、「勝ちたい」という気持ちが生まれ、「勝つためにどうすればいいのか?」「いつ止まるのかよく聞いておく」という思考力先を読む力が身に付きます。

また、負けて悔しくて泣いている子に寄り添う子がいたり

一生懸命応援して友だちの勝利を喜ぶ子がいたりと

STEAM教育で様々な角度から学びを得る過程で、優しさや思いやりといった人間性そして社会性も育まれます。

 

 

まとめ

今回は、遊びの中での子どもの育ちや学びを

STEAMの中から「Mathematics」や「Art」など抜き出してお話ししましたが、

「Art」の要素があれば、芸術的センスが磨かれるということではなく

冒頭でも説明したようにSTEAM教育は分野横断的な教育であり

一つの遊びから得られるものがたくさんあるということ、

「論理的思考力」「自由に表現する力」「人間性や社会性」など

あらゆる角度から様々な学びを得ることができるのがSTEAM教育です。

STEAM教育を意識するだけでも

子どもたちが何を感じ、どのような力が育っているのか、その力をどのように発揮していくのか

周りの大人がどのように働きかければいいのかなど

考えるきっかけになります。

 

子どもの遊びは全て心と体の成長や脳の発達に欠かせないものです。

遊びから学びへ。子どもたちの遊びは必ず成長へと繋がります。