全身でアートを楽しもう!

保育園でよく行われる遊びの一つに「おえかき」があります。

クレパスや筆を使ってなぐり描きをする、ぐるぐる描く、見たものを真似して描く、楽しかった思い出を描くなど、発達や年齢によってお絵描きの楽しみ方は違います。

ですが、発達・年齢関係なくみんなで楽しめて、子どもたちの感性や直感で自由にお絵描きできるともっと楽しいですよね!

そこで今回は、子どもたちが全身でアートを楽しめるについてご紹介します。

 

ボディペインティングとは、手足や全身に絵の具をつけて全身で絵を描くことを楽しむ遊びです。

紙に絵を描くだけでなく、身体に絵を描いてみたり、感触を楽しんだり、色を混ぜてみたりと、

ボディペインティングの遊び方に決まりはありません。

初めての感触に最初は嫌がる子もいるため、

まずは、絵の具の感触に慣れることから始めていきます。

  

年齢別のあそび方と発達

 

0歳児

絵の具を手や足につけて、手形・足形スタンプで遊びます。筆で手に絵の具を塗ると、嫌がったり、泣いたり、笑ったり、じっくり観察したり子どもによって反応は様々です。

 

「ひんやりするね!」「くすぐったい?」「ぺったんしてみようか」「足の形になったね」

子どもが見たことや感じたことを保育者が言葉で表現します。

 

絵の具の感触に慣れてくると、自分で絵の具を指や手につけて感触を楽しんだり、白い紙が色づいていく様子を観察したりして遊んでいました。

0歳児からでも全身を使ってボディペインティングを楽しむことはできますが、まずは手や足から始め、感触を楽しめるように段階を踏んでいます。

   

 

1・2歳児

「自分で」の気持ちが強くなり、初めてのことにも果敢に挑戦するようになります。

筆で色を塗るという制作では、「手に塗ってみたいな」「手でお絵描きしたいな」と好奇心も出てきて、自分で手に絵の具をつけて感触や色の変化を楽しんでいます。

 

手で塗ることが楽しかった様子の子どもたち。

次は大きな紙をいろんな色で塗ってみよう!

最初は躊躇する様子もありますが、一度絵の具を手や足につけてみると、感触に慣れ、ダイナミックに遊び始めました。

 

絵の具の感触を不快に感じたり汚れることを嫌がる子どももいますが、お友だちや先生が楽しんでいる様子を見ると、もう一回遊んでみようかな。と不安も好奇心に変わり、手や足、顔についてもへっちゃらになります。

 

「お友だちのマネをしよう」「足で描くの楽しそう!」「ピンク色の足になったよ!」

お友だちの遊び方に興味をもち、自分たちで遊びを広げていきます。

 

遊ぶ中で、疑問も生まれます。

白い紙ではなく、青いブルーシートに塗ったらどうなるのかな?と、「やってみたい」好奇心が「やってみよう」になり、「面白い」「楽しい」「違うところも塗ってみよう」と自分なりの遊び方を楽しむ姿が見られました。

   

 

3・4・5歳児

あらかじめ汚れてもいい服に着替え、絵の具の準備も一緒に行います。

色彩も楽しめるように子どもたちに何色がいいか選んでもらったり、色の名前を伝えたりして、「色」についても興味をもてるようにします。

紙や身体、服に塗ってもいいよ!

お友だちと塗り合いっこしてもいいよ!

嫌がるお友だちにはやめてあげてね。

と約束をし、ボディペインティングスタート!

道具を使ったり、直接手で塗ってみたり、お友だちや先生と塗り合いっこしたりと遊び方は様々です。

  

保育者が自分の体に絵を描いてみると、子どもたちも興味をもち「ぼくは足を全部青く塗る!」「お顔にハート描いてみたい」と、遊び方もよりダイナミックになっていきます。

 

また、いつもと違う子どもたちの個性も見られるのが、ボディペインティングの魅力です。

普段の決まったサイズの紙に描くお絵描きとは違い、いつもは紙の端っこに小さく絵を描いている子が、大きな絵を描くことをとても楽しんでいたり、絵の具が手につくことを嫌がっていた子が、誰よりも身体に絵を描くことを楽しんでいたり・・・

遊び方の違いだけで、子どもたちの新しい一面が見えたり、考え方や心の成長を見ることができ、一人ひとりの個性をどう伸ばしてあげられるか、改めて考えることのできるきっかけにもなります。

 

ボディペインティングのねらいは

  • おえかきを楽しむ
  • 自由に表現する
  • 絵の具の感触を楽しむ
  • 色彩に興味をもつ
  • 発想力や創造力を育む

などたくさんあります。

子どもたちの今もっている力を伸ばし、まだ知らない力を見出すきっかけ作りにぜひ取り入れてみてください。